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知らずに上場するな!株式公開の魅力とメリット

上場審査の鍵! 「IIの部」作成とヒアリング内容の全貌

まさにここだけの話を座談会形式で伺いました。 株式公開をする、つまり上場をするということは、会社の経営者であるあなたの価値が市場で判断されることと同義。ですから、あなた自身にもそれ相応の資質があることが求められてきます。株式公開成功の大きな役割を担う主幹事証券・監査法人の両方にて、また、株式公開成功ノウハウが詰まった「IIの部」の作成や東証のヒアリングに出席された山本秀一公認会計士・税理士が、東証のヒアリングの質問事項や公開に成功するための社長の資質とは? 公開前にぜひ、知っておきたい内容です。


ゲスト:山本 秀一 ゲスト:山本 秀一(やまもと ひでかず)
公認会計士・税理士、山本秀夫事務所所属

日興證券(現日興コーディアル証券)に入社後、「IIの部」をはじめとする、証券取引所への申請書類の作成と証券取引所との折衝、取引所による上場審査への回答の作成指導などを行う。その後、朝日監査法人(現あずさ監査法人)で株式公開部門などを担当。現在、公認会計士・税理士山本秀夫事務所入所。

1.あなたには備わってる? 株式公開に成功する社長の資質

ナビゲーター:山下 健一
ナビゲーター:山下 健一

山本先生:
一時期、上場審査には、公開企業にふさわしい企業を公開させる責任を持っていたように思います。当時は未だ日本の証券市場は成熟していないという認識で、また投資家も未成熟だったことから、彼らを保護する観点からも、まっとうな企業だけを公開させるために厳しい審査を行っていました。

ですから、東証の審査役も厳しいことを質問していました。 上場審査で真っ先に質問されるのは「どうして御社は儲かるんですか」ということです。基本的には、このことを長期間かけて説明していくのですね。なぜかというと、 上場後もその会社が成長していかなければ、株式市場自体がしぼんでしまうので、東証としても成長力のある企業に公開してもらいたいからです。

山本先生:
そうですね、中国企業が東証を飛び越えて、NASDAQに上場したり、日本の地方企業がNYSEに上場申請したりしており、そんなことも言っていられなくなってきました。そんな環境のなか、 東証や証券業協会もベンチャー企業の育成のために、上場審査を透明化し、より株式公開しやすいように努力してきたと思います。ですが、この2年くらいで上場審査が再び厳しくなっているという話を聞きます。上場企業のさまざまな不祥事が起こっていますから、上場審査を厳しくせざるを得ないのでしょう。

質問される内容は、東証もWEBなどで公表していると思いますが、申請会社が利益を獲得できる体制かどうかについてです。具体的には、社長の人柄、組織体制の整備状況、法令順守の体制、適時開示の体制を聞かれます。

ナビゲーター:大橋 悦子
ナビゲーター:大橋 悦子

山本先生:
社長の人柄も企業が利益を獲得していく上で重要な要素なんですね。これは人づてに聞いた笑い話ですから事実かどうかはわかりませんが、東証の社長ヒアリングで、東証審査役が「上場後は何をしたいですか?」と質問したら、社長が「ヘリコプターとフェラーリを買って、銀座で豪遊しますよ!」と答えたとか。もちろん、ヒアリング終了後、東証審査役が「ちゃんと事前にレクチャーしといてくださいよ!」と主幹事証券会社の担当者を怒ったそうです。

別に自分のお金でヘリコプターを買おうがどうしようが構いませんが、東証のヒアリングの場で、質問の意図を理解せずにそのような受け答えをすれば、公開企業の社長としての資質がないと言われても仕方がないと思います。このように答えたからといって株式公開が駄目になることはありませんが、この社長は公開後にかなり苦労することになると思いますよ。

山本先生:
組織体制の整備状況も質問されますが、通常は管理本部長や総務部長、経理部長クラスの管理部の責任者がヒアリングに答えることになります。こういった場合、ヒアリングを受ける前に、主幹事証券会社とシナリオというか、筋書きを決めて、利益を獲得できる理由を東証に説明する準備をしていきます。

場合によっては、例えば、営業部隊の組織の整備状況を聞きたいということで、営業の責任者がヒアリングを受けることなどもあります。当然、事前に営業の責任者も主幹事証券会社のレクチャーを受けているのですが、管理部門ではなく営業の方ですから、勢いあまって余計なことも話してしまうこともあるようです。

2.できるオーナーはバランス感覚が絶妙

山本先生:
ヒアリングを受ける前には、主幹事証券会社と一応シナリオというか筋書きを決めて、利益を獲得できる理由を東証に説明する準備をしていくのですが、私の担当した会社では「Aという利益率の高い商品が市場の受けもよく、利益の増大が見込めるから公開後も十分な利益が上がりますよ」というシナリオを書いていました。その事実を、東証審査役は確認することも含めて、営業の責任者に直接聞きたいということになり、ヒアリングを実施したのですが、営業の責任者が何を勘違いしたのかAという商品は、お客様の受けが悪く、最近返品も多い」という趣旨のことを喋ってしまい、焦ったことがあります。ヒアリングの後に、東証審査役から「Aの商品は大丈夫ですよね?」と小声で聞かれましたし……。その後、Aの商品の利益率が高く、今後も売り上げが増加することを説明する資料を追加で提出させられましたね。

山本先生:
簡潔に言うと社長の人格やビジョンです。

山本先生:
公開関係の人はみんな儲けたがっています。ですが、自分だけ儲けようというオーナーは失格ですし、誰かに儲けさせてもらおうということでも失格です。 できるオーナーというのは、関係者の誰に、どれだけ儲けさせるかのバランスをとるのがうまい。

そうなるには、自分だけや投資家だけを見ていても駄目です。 利益の配分の作り方をバランスよく組み立てるのがうまい、つまり、従業員、取引先、主幹事証券会社、監査法人の利益配分や交通整理をうまくできないといけない。

それができるということは会社の全体がしっかりと見えているオーナーということになります。そして、見えているということは、しっかりと筋が通っているということ。金の亡者になる人は長続きしません。しっかりしているオーナーは、10年後、20年後のビジョンがあって、それを達成するためには、この人には恩を売っておかないとうまくいかない、とかをきちんと見ているんですよ。

山本先生:
非公開の会社でも、従業員に分配するのか、自分で利益を取るのか、利益率を下げて得意先のためにまけるのかを考える必要があるでしょう。とにかく、バランスをとるのがうまい人っていうのは強いですよね。基本的に、企業なわけで人間よりも継続していくわけですから、先を見て、バランスをとっているオーナーっていうのはいいですよね。

山本先生:
ない場合は、ある人を集めればいいんです。

山本先生:
ビジョンをしっかり話せる人であれば、話を聞いてもらえるでしょう。私もそういう人なら話を聞きますから。

山本先生:
ビジョンを作ることはオーナーしかできませんが、内部統制はオーナーでなくてもできます。一番良いのは、ビジョンに賛同してくれた人を内部に入れることですね。以前は、公開前の内部統制作りや仕事の流れを外部に任せるのはご法度でしたが。

山本先生:
コアな部分を外注に依頼していたとして、外注に何かあると会社の根幹に影響が出るから良くないという話ですね。最近では、専門家に入ってもらうのが手っ取り早いですが、本質論からすると、そういう人に内部に入ってもらって、同時にコアな部分が内部にでき上がっていくと筋力がついてきますね。ですから、 コアな部分を外部の方にお願いするのであれば、社内の方と連携で、内部にノウハウを落としてもらうようにお願いすることですね。


制作提供:(株)ECOM 296会社.com (作ろう会社どっとこむ)事業部 http://www.296kaisha.com
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