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グッドデザイン・プレゼンテーション2006スペシャルレポート

この記事は2007年以前に書かれた記事となります。

サステナブルなエコデザインこそ、未来へのカギ

東京ビッグサイトで開催された「グッドデザイン・プレゼンテーション2006」の最新情報やトレンド、注目の企画を紹介。デザインプロダクツの奥に見え隠れするコンセプトや、未来への方向性を読み解く。

1.Gマーク50周年の節目に

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「グッドデザイン・プレゼンテーション2006」の会場

日本のデザインシーンにおいて見逃すことのできないイベントが今年も開催された。8月23日(水)から26日(土)まで東京ビッグサイトで行われた「グッドデザイン・プレゼンテーション2006」。

今年は『THINK GOOD?』をテーマに、「GOODなDESIGNとはどんなデザイン?」とあらためて原点を問い直してみるプレゼンテーションとなった。単に美しいだけではなく、優れたデザインとは何か?日本の社会が物質的には豊かになった反面、混迷の度合いを深めて、さまざまな問題が累積し、未来への希望や明確なライフスタイル、ビジョンがもちにくくなっている。これまで生活を豊かにし、産業の発展に貢献してきたデザインだからこそ、分水嶺のいま、21世紀の社会にふさわしいあるべき姿をデザインして、ビジュアライズして、次なる世界へと大きく動かす原動力となる可能性を秘めている。そのヒントが、会場内の隅々に隠されていた。

折しもグッドデザイン賞は今年で創設50周年。会場入口から右手に曲がるとまず目についたのが、「Gマーク50年・100のデザイン」。グッドデザイン賞を受賞した50年間の作品が年代ごとに一堂に並べられていた。さすがに各時代を代表するデザインプロダクトだけあって、ひとつひとつに物語が詰まっている。

グッドデザイン賞の歩みは日本のデザインと産業の「マイルストーン」と言われるように、年代によってデザインの役割の変遷が感じられた。

2.面白く、カッコよく、気持ちよく、楽しいエコプロダクツ

「Gマーク50年」の隣、会場のほぼ中央に設営されていたのが、5つのテーマからなる特別企画「DESIGN SQUARE」。そのひとつ、「エコGOODデザイン・スクエア」のブースは手作り感が漂い、ホッとする温かさが感じられ、訪れる人々が自然に笑顔になるようだ。
 「イベント後に廃材が出ないように、ディスプレイ台はレンタルパレットを使用しているんですよ。産地直送の新鮮なイメージを出したかったのと、囲いをつくらないでオープンな空間にしました」と、このブースのプロデュースを担当しているLLP エコデザイン研究所のスタッフ、鈴木美絵さんが説明してくれた。
「エコロジーというと我慢するとか、ちょっとネガティブなイメージをもっている方もいらっしゃると思います。だからこそ、面白く、カッコよく、気持ちよく、楽しい未来にふさわしいエコプロダクツをテーマに集めました。」このブースには12団体が参加し、それぞれに魅力的な製品を展示していた。いくつかの企業・団体をズームアップしてみよう。

2-1.バイオボードテーブル Straw Line(株式会社イトーキ)

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麦わらでできたボードの
バイオボードテーブル「Straw Line」

麦わらやひまわりの種、大豆の絞りかす、古新聞などからできたテーブルのボード。それぞれに色合いや風合い、感触が違い、味わい深い。テーブルの脚にはリサイクル可能なアルミを使用。シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドなどの有害物質の放出もないという。自然と共生するやさしいオフィスへ。

2-2.Re-arise PROJECT(株式会社ウインローダー)

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不用品の家具が再製品化されたRe-arise PROJECT

前回のスペシャルナンバーでも取り上げたRe-ariseの作品が個性豊かに再登場。廃タイヤにシートベルトを編み込んだキャスター付椅子は新作で、なかなかおしゃれな出来映え。作者である東京造形大院生の梅原高秋さんにその着想を伺った。

「タイヤを加工して再資源化するとエネルギー消費の負荷がかかるので、タイヤそのものを使えないかと。これは何かできると直感した。タイヤとシートベルトを組み合わせると面白いんじゃないかと思い、整備工場経由で廃棄されたシートベルトを確保。いろいろが微妙な色があるのも発見だった。接着剤を使わずに、タッカーだけでシートベルトを止めて、タイヤとシートベルトの編み込みにより張力が生まれた。面白い!って、けっこう評判いいですよ」


2-3.monacca(株式会社エコアス馬路村)

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間伐材から生まれた斬新なmonacca

思わず触りたくなってしまう木のバッグ、木の座布団……この異色の取り合わせにはおそれいった。実際に手に取ってみると、とても軽い。杉の間伐材を薄くスライスして、何層にも重ね合わせて圧縮加工したもの。丈夫で使い込むほどに風合いが増してきて、海外でも高く評価されているという。発想の転換から、モナカのようなmonaccaが生まれた。

2-4.Re-食器(グリーンライフ21・プロジェクト)

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陶磁器の資源循環に成功したRe-食器

シンプルで好感のもてる質感。飽きのこないデザインのこの陶器は、じつはただ者ではない。陶器はリサイクルできない、という常識をくつがえし、廃棄された陶器を粉砕して原料に戻し、再び焼き上げたもの。不死鳥のように甦った食器たちは、どこか骨太でたくましい。

2-5.サステナブル・プロジェクト(東京造形大学サステナブル・プロジェクト)

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「持続可能」をデザインする
サステナブル・プロジェクト

サステナブルなデザインを専門とする日本で唯一のコース、東京造形大学デザイン学科サステナブルプロジェクト専攻の学生の作品。独創的な発想から誕生した家具たちは、ユーモラスで愛らしい。その不思議な吸引力に吸い寄せられて、人の波ができていた。

2-6.エコみやげ(LLP エコデザイン研究所)

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国内外の人気デザイナーのグッズを集めた
エコみやげ

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自転車の部品が再利用された小物
「リソースリバイバル」

国内外のデザイナーによるエコデザイン商品。フィンランドで人気の「セッコ」による、古タイヤを使ったバッグや、廃棄パソコンのキーを使ったストラップ。アメリカのポートランドを拠点として活躍している「リソースリバイバル」による、自転車のチェーンを使った写真フレームやキャンドルホルダーなど。懐かしさと新鮮さがミックスされた、チャーミングな小物たちが人気を集めていた。

こうして全体を見渡していくと、それぞれが個性的で魅力的な輝きを放っていた。一足先を行くエコ製品たちの姿、カタチ……これからますますエコロジーはエコノミーの本流となっていくだろう。自然をお手本として、循環できる製品の開発と社会システムへのシフトが、地球生命圏ガイアから求められている現代。ささやかながら「21世紀的カッコよさ」の新・基準が垣間見えたような気がした。

3.サステナブルな社会をデザインする時

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地球環境の現状とサステナブルの
必要性を熱く語る山本良一教授

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デザイナーの果たす役割の重要性を
説く益田文和教授

この日(8月25日)は、16時からメインホールで1時間ほど、東京大学生産技術研究所の山本良一教授と、東京造形大学デザイン学科の益田文和教授によるトーク・セッションが行われた。

テーマは「デザイナーはいかにしてサステナブルな社会をデザインするのか」。

地球環境に関する最新情報と、サステナブルな社会を実現するためにデザイナーが果たす役割を考えるというものだ。講演に先立って、日本では2007年新春に公開される映画「不都合な真実」の予告編が上映された。キリマンジャロの雪解け、北極の氷の溶解、巨大ハリケーン……地球環境と気候の激変が生々しくスクリーンに流れる。米国元副大統領アル・ゴア原作のドキュメンタリー。これは来年の必見だ。

続いてステージに登場した山本教授は、与えられた少ない時間の中で、膨大な最新情報とデータ、映像を紹介しようと、のっけからハイテンションで熱く語りはじめた。「全世界の科学者の見解が正しければ、残されている時間はあと10年しかないという。そこで二つの行動が重要になる。

(1)スモール・アクション
それぞれの人たちができる範囲で行動する。

(2)グローバル・ジャイアント・アクション
大きなプロジェクトとして対処しなければこの問題は解決しない。

急速な地球温暖化が起きていて、その原因の90%は人間の社会活動によるもの。1年間に1,000種の生物種が絶滅していると予想され、このまま放置すると大変な事態になるという。今年がポイント・オブ・ノーリターン(引き返すことのできなくなる時点)となり、2016年頃には気温上昇1.5℃を突破して、グリーンランド氷床の融解が始まる。2028年頃に気温上昇2℃を突破すると、自然災害や感染症等で数十億の人が犠牲になると予測されている。

「我々は全知全能をあげてこの気候変動との戦いに勝たなければいけない。そのためには環境に配慮した技術、持続可能な社会システムのために、あと10年以内に世界的ムーブメントを起こして、いわばスーパー京都議定書を実行しなければいけない。サステナブルデザインは挑戦であり、希望である!」

学者の範疇を超えて説得力のある言葉をマシンガンのように連発する山本教授に対して、益田教授がより現実的なデザイナーの側面からフォローする。

「エコデザインを全力をあげて推進すると同時に、どのようなライフスタイルをイメージするのか、その視覚化が問われているのではないか。日本の環境効率技術は世界一だが、CO2排出は増えている。それは使い方が間違っているからではないか。消費者の意識の問題。これまでのモダン・デザインの系譜を超えて、かなりドラスティックな手を打たないといけない。そのためにはあるビジョンが必要。豊かであっても金ピカではなく、シンプルに適正スケールで暮らす。まさにいまが正念場。これから職能として、サステナブルを含めた環境の問題、これからの未来について語り、それをカタチにしていく作業に着手しなければいけないと思っています」

さらに、グローバル・ジャイアント・アクションの具体的施策としては、世界的に以下のようなプランが提案されている。

(1)国際環境機関の創設
(2)グリーンマーシャルプラン
(3)国際為替取引への課税
(4)国際航空便への課税
(5)CO2の国際排出量取引
(6)途上国へのグリーンエネルギーの提供

今年の12月14日・15日には、サステナブルデザイン国際会議が日本で開催されるという。

とてつもなく重いテーマを突きつけられたが、だからといって暗くなる必要もない。いまの自分の仕事、生活、好きなこと、得意なことを、いかにサステナブルに転換していくか。これは大いなるゲームであり、チャレンジ。これからやってくるサステナブルという大きな波を、サーフィンとして楽しんでいく。この物質社会を形成している人間の意識と価値観が変われば、おそらく、まだ遅くはないだろう。


 

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