オフィスに関するお問い合せはこちら
イトーキオフィスゲート
オフィスレイアウト、デザイン、内装、オフィス家具から移転・引越しまで見積・ご提案
イトーキが東京・横浜・名古屋・大阪・福岡をはじめ全国のオフィスをサポート
HOME矢印オフィスづくり情報矢印スペシャルナンバー矢印エコロジーライフスタイル / 不用品をデザインでよみがえらせるシステム作り
メインコンテンツヘッダー

エコロジーライフスタイル

この記事は2007年以前に書かれた記事となります。

不用品をデザインでよみがえらせるシステム作り

回収してきた家具などの不用品にデザイン性を加えて、新しい家具としてよみがえらせる『Re-arise』(リアライズ)プロジェクト。このプロジェクトは、不要品の回収・再生を行っているエコランドを運営する株式会社ウインローダーの呼びかけで始まった。現在は、東京造形大学デザイン学科教授である益田文和さんを監修に迎え、次のステップアップを目指している。今、注目のリサイクル・プロジェクトの理念を監修者である益田文和さんに、またこれまでの活動とこれからの展開を株式会社ウインローダーの高嶋民仁取締役と担当の山口典子さんに伺った。

1.益田教授が目指す『地球の資源を捨てずに活かす家具再生のプロジェクト』

益田文和、東京造形大学教授

益田 文和(ますだ ふみかず)
東京造形大学デザイン学科教授(サステナブルプロジェクト専攻領域、インダストリアルデザイン専攻領域)、株式会社オープンハウス代表取締役、LLPエコデザイン研究所所長

1973年、東京造形大学デザイン学科卒業。1978年以降フリ−のインダストリアルデザイナー。10年以上に渡って、環境と調和するエコデザインを研究し、実践している。共著に『エコデザイン』(ダイヤモンド社)ほか、雑誌連載記事など、執筆多数。

 東京造形大学デザイン学科で教鞭を執るかたわら、日本産業デザイン振興会グッドデザイン賞審査委員を務めるなど、デザインの振興事業に関するコンサルテーションのほか、エコデザイン及びユニバーサルデザインを中心としたデザインを行っている益田文和教授に、監修を務める『Re-arise』プロジェクトの意義について伺った。

 「私たちが日本で家具を買うということは、どこかの国の森から切り出した板材や合板、輸入した鉄鉱石や亜鉛やアルミで作った木ネジや取っ手などの金具類、同じく輸入した石油から合成したメラミン樹脂や塩ビなどのプラスチックやウレタンや塗料や繊維や接着剤、そのほかに籐や木綿やウールや皮革、ガラスやゴムやタイルなど、実にさまざまな材料を買っているということ。さらに言えばその加工と輸送にかかったエネルギーも同時に買っているのです。そして、そのすべてが、かけがえのない地球の資源だと知っていれば、簡単に捨てることなどできないはずです。

 ところが、実際には部屋を引っ越すときなど、どんどん捨てられているのが現実です。

 こうした不用家具を引き取った運送会社のウインローダーが、そのまま捨てずに何とか再利用できないものかと持ち帰り、学生たちと一緒に取り組んでいる家具再生のプロジェクトが『Re-arise』です。一度は捨てられかけた家具をデザインの力で再び喜んで使ってもらえる家具としてよみがえらせることはできないか。その志高く勇気あるチャレンジは、より良い未来の社会に向けて今始まったところです」(益田文和、東京造形大学教授)

2.「もったいない」から生まれた『Re-arise』プロジェクト

柔軟な発想力とスピーディな行動力でプロジェクトを進める高嶋取締役(右)と、2005年の新卒入社とは思えないほどハキハキと話してくれた山口さん(左)
柔軟な発想力とスピーディな行動力でプロジェクトを
進める高嶋取締役(右)と、2005年の新卒入社とは思
えないほどハキハキと話してくれた山口さん(左)

 実際に『Re-arise』プロジェクトを運営している、荻窪にあるウインローダーの本社ビルにお邪魔すると、その階にいる社員全員から立ち上がって「いらっしゃいませ」とあいさつされたことにまず驚いた。さらに、応接室に通されると、社員の方がドリンクメニューを見せてくれて、「どれになさいますか?」と聞かれる。まるで喫茶店かのようにいろいろな飲物から選べるとは……。ここまでCSが徹底されている会社も珍しい。社員教育の質の高さでも有名なようで、見学に来る企業も多いとか。先駆的なエコプロジェクトを推進している企業のもうひとつの顔に驚かされながら、廃品から家具をつくるエコプロジェクトについて、さっそく高嶋取締役からお話を伺った。

不用品・廃品回収を組み立て、作品に作り替えていく学生たちの様子
不用品・廃品回収を組み立て、作品に作り替えて
いく学生たちの様子

作品:『Our Dimentional Style』 春山恵介
作品:『Our Dimentional Style』 春山恵介

作品:『Pile chair and ottoman』 梅原高秋
作品:『Pile chair and ottoman』 梅原高秋

 「ウインローダーでは、不用品・廃品回収の事業を7年前から始めました。お客様へ荷物を配送するだけではなく、集荷して帰ろうという発想と同時に、世の中で捨てられている物に対して「もったいない」という強い思いもありました。私たちが回収してもう一度、リユースし、リサイクルし、地球の資源を大切に使いたいと。廃棄処分場へ運搬する物をゼロにしたいと思ってやっています。

 現在は、回収した物に少し手を加え、リユースとして販売するのが3割ぐらい。木や鉄、プラスチックなどの素材に分別してリサイクルする物が2割ぐらい。残り5割が処分場に捨てるという現状です。つまり、1ヶ月で600〜700件ぐらい回りますが、その半分ぐらいがゴミになっちゃうわけです。これを少しでも減らしていきたい」(株式会社ウインローダー、高嶋民仁取締役)

 これらの不用品・廃品は、東村山にある大きな保管倉庫『ゼロエミッションセンター』にすべて集められる。最初の3年半ほどは、リサイクルショップのオーナーやプロの業者をこの倉庫に呼び、不用品・廃品が売れるとお客様に返金するシステムを組み立て、オークション形式で運営していたという。しかし、これがなかなか軌道に乗らず、再び通常の回収ビジネスに逆戻りしてしまった。

 「そこで、社内で「回収した廃材から何かできないかね」と話し合っていた矢先、アート系の雑誌に廃品から作られた家具作品が紹介されていたんです。「これだ!」と思って、さっそく都内の4つの美大にポスターを貼らせてもらったんですね。
『廃材から作品を作りたい人、大募集!』
というコピーで。すると、8名の学生さんが集まってくれ、そこから倉庫の一角での作品作りが始まったわけです。シマウマのイスやスピーカーをくりぬいた本棚など、おもしろいアイデアに感心して見ていました」(高嶋さん)

 物事が上手くいくときというのは不思議なもので、そうこうしているうちに、自然と次のステップに繋がる出会いが生まれたそうだ。それが、エコデザイン及びユニバーサルデザインなどの調査・研究をしている東京造形大学の益田文和教授、そして株式会社イデーの黒崎輝男現会長との出会いだった、と高嶋さんは語った。

 「ひょんなご縁から東京造形大学の益田教授とお会いすることになったんです。そこから意気投合していくうちに、30人ぐらいの学生さんを連れて倉庫の見学に来られたんですね。そのとき、一緒にいらっしゃった株式会社イデーの黒崎社長(現会長)に「日曜大工の延長のようなことをやっても、大したことないまま終わっちゃうぞ」と言われて。僕らはいい作品ができたと思っていたんですけど、「何を眠いことをやっているんだよ」と……金槌でガツンとやられるほどの衝撃を受けました。さすがにIDEEを創られた方の言葉には説得力がありましたね。それから黒崎さんのところに何度かお伺いするようになり、現在の『Re-arise』プロジェクトに結びつく、さまざまなことを教えていただきました。

 その後、益田先生から紹介された『エコプロダクツ2005』というイベントに出展したり、黒崎さんのところに来ていた海外の有名デザイナーの方からコメントをいただいたりしました。益田先生に課外授業の形で、さらに手弁当でプロジェクトの監修までしていただいたおかげで、作品のクオリティは明らかに高くなってきていますね」(高嶋さん)

3.音楽フェス『ap bank fes ’06』への出展と新プロジェクトの始動

 これまでもいくつかのイベントへ作品を出展してきた『Re-arise』プロジェクト。今回は、小林武史(音楽プロデューサー)、櫻井和寿(Mr.Children)、坂本龍一が発起人となり、環境に関するプロジェクトに融資をする非営利組織『ap bank』が主催する野外音楽フェス『ap bank fes ’06』へ作品を出展することとなった。引き続き、高嶋取締役に「どのような経緯からこの音楽フェスへ参加することになったのか?」について聞いてみた。

 「『ap bank』のことは、NPO法人グリーンバードの長谷部さんと、コンテンツファクトリー社長の野村さんから教えていただきました。Mr.Childrenの櫻井さんや坂本龍一さんたちが中心になっている環境プロジェクトに融資を行うバンクということで、担当の方たちとお会いしたら、意外にも共通の知人が多くて盛り上がりましたね。そこで融資というつながりも生まれ、今回の『ap bank fes ’06』にも作品を展示する運びとなりました。

 不思議なご縁からお世話になっている方々も本当に多く、いくつものイベントに出展したりしてここまで来てましたので、なんとしても『Re-arise』プロジェクトを事業として軌道に乗せたいですね。一生懸命にやっていこうと決めた以上は、継続するサイクルに入っていかないと……。今後はサイトをブラッシュアップしたり、企業のロビーに置いてもらうなど、新しいアプローチをいろいろ打ち出していきたいと考えています」(高嶋さん)

 また、『Re-arise』プロジェクトの担当である株式会社ウインローダーの山口さんは、プロジェクトの今後について次のように語ってくれた。

 「まだまだ試行錯誤の段階なのですが、『Re-arise』では量産できる家具を目指しています。そこで、アイデアデザイン、試作モデルをどんどん考えてもらって、それを家具工房さんに制作・依頼しています。まだ、コストや安全性、重さなど、クリアしないといけないハードルがいろいろありますが……。

 また、新しいコンテンツとしては『Order-made Re-arise』というビジネスプランを立ち上げているところです。何をするのかというと、お客様の家で何代にも渡って受け継がれている家具や婚礼家具など、思い入れが強く捨てられない家具のリメイクを受け付けます。問い合わせを受けて、デザインなどのご要望を伺い、業務提携先の製作所さんから見積りを出してもらって、発注をいただくというプロデュース業ですね。これを配送とセットのサービスを始めようとしています」(山口さん)



 

ページトップボタン

メインコンテンツフター

プロにご相談!

レイアウト変更やオフィス移転など、お気軽にお問い合わせください

お問合せの詳細はコチラ