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エコロジーライフスタイル

この記事は2007年以前に書かれた記事となります。

エコで共鳴した『ap bank fes』と『Re-arise』プロジェクト

VOL.1でお伝えした、回収してきた不用品にデザイン性を加えて、新しい家具としてよみがえらせる『Re-arise』プロジェクト。そのプロジェクトで製作されたリサイクル家具の数々が、小林武史(音楽プロデューサー)、櫻井和寿(Mr.Children)、坂本龍一が発起人である『ap bank』主催の野外音楽フェス『ap bank fes '06』で展示された。その様子を密着レポート!

1.7月15日、『ap bank fes '06』スタート!

会場の様子。2万5000人の音楽ファンで賑わう会場。<会場ではリユースカップの利用、グリーン電力の導入など、さまざまなポイントで、地球環境を考えた取り組みを行っている。
2万5000人の音楽ファンで賑わう会場。
会場ではリユースカップの利用、グリーン
電力の導入など、さまざまなポイントで、
地球環境を考えた取り組みを行っている。

 シャトルバスを降り、濃緑の芝の間を抜けると、梅雨明けが近いことを予感させる素晴らしい青空に映える鮮やかなピンク色の看板が目に入る。気温はすでに30度を越えている。周囲には光を遮る高層ビルなどあるはずもなく、太陽光がまっすぐと降り注ぐ広場の前には、ライブスタートにはまだ数時間もあるというのに、すでに多くの若者が列をなしていた。彼らは今日のこの暑さをむしろ楽しんでいるかのようで、期待と興奮を抑えきれない顔でいっぱいであった。

 日本の中央に位置する静岡県掛川市つま恋。そんな場所で『ap bank fes '06』は開催された。出演アーティストの豪華さはこれ以上ないほど。しかし、これはただの野外音楽イベントではない。音楽と環境への意識を自然な形で融合させたイベントなのである。『ap bank(エーピーバンク)』は小林武史(音楽プロデューサー)、櫻井和寿(Mr.Children)、坂本龍一の3名のアーティストが発起人となり、設立された“可能性のある未来をつくる環境活動”に対して融資をする非営利組織なのだ。『ap bank fes』のapは“Artist's Power”と“Alternative Power”を意味している。 その第四期融資先として、株式会社ウインローダーの『Re-arise』プロジェクトは選ばれ、今回の展示が決まった。

2.『Re-arise』プロジェクトの参加学生による家具のリサイクル

『Re-arise』プロジェクトの展示の様子。来場者の中には、作品をとても気に入った方もいらっしゃり、「これはどこで買うことができるのか」といった声も聞かれた。
『Re-arise』プロジェクトの展示の様子。来場者の中
には、作品をとても気に入った方もいらっしゃり、「これ
はどこで買うことができるのか」といった声も聞かれた。

 東京造形大学学生の協力により制作された12点の家具は、展示物という壁を取り払われ、来場者の憩いの場に並べられていた。来場者も作品を見るというよりは、実際に食事をしたり、休憩をする場としてまったく抵抗なく自然に家具を利用している。

 「今まで数回展示という形で、このプロジェクトを発表してきましたが、今回は強度や安全性、実用性を測るためにも、休憩スペースの一部として設置しました。お客さんに実際に使ってもらってわかることがたくさんあるので」と、来場者に家具やプロジェクトについて説明していたのは現場担当の山口典子さん(株式会社ウインローダー、『Re-arise』プロジェクト担当)。

 『Re-arise』プロジェクトについて、学生リーダーの梅原高秋さんは「参加した学生は基本的にみんな興味がある。といっても、最初はやっぱりよくわかっていない状況です。しかし、倉庫に山積みに集められている不要家具をみると、皆、どうにかしなきゃって、熱意を持って取り組んでいます。すごくいい経験になっていると思います」と話す。

3.材料の問題を解決するデザインの力

作品:『にせもの』 小澤哲平。ユニークさで目を引いていた『にせもの』。外観はただのタンスなのだが、引き出すとベンチとデスクになる。生産性、実用性を求める一方で、ぱっと人の目を惹き、見る人の興味を引きつけるメッセージを強く持った作品。
作品:『にせもの』 小澤哲平。ユニークさで目を
引いていた『にせもの』。外観はただのタンスなの
だが、引き出すとベンチとデスクになる。生産性、
実用性を求める一方で、ぱっと人の目を惹き、見る
人の興味を引きつけるメッセージを強く持った作品。

 ゴミ=資源という考え方は一般化してきている。とはいえ、リサイクルをするのは大変手間の掛かる作業だ。特に、中古家具はいつも同じ形状ではないので、材料として使用するには多くの問題がある。しかし、「何度か製作をしているうちに17.5mmの合板が多いことに気づいたんです。それに合板はいろいろな種類があっておもしろい。今回はその合板を組み合わせたローテーブルを作りました」と梅原さんは言う。


作品:『grain』 梅原高秋。色違いの5枚の棚板(合板)を組み合わせたローテーブル。板と板の隙間に5mm程の細い板材を噛ませゆがみを解消している。この5mmの板材は緩衝材であると、同時に視覚的に全体の統一感を持たせる効果も果している。モンドリアンの絵画のよう。
作品:『grain』 梅原高秋。色違いの5枚の
棚板(合板)を組み合わせたローテーブル。
板と板の隙間に5mm程の細い板材を噛ませゆ
がみを解消している。この5mmの板材は緩衝
材であると同時に視覚的に全体の統一感を
持たせる効果も果している。モンドリアンの
絵画のよう。

 また、中古品であるので、材料が古かったり、傷や欠けなどももちろんあるが、梅原さんは「中古家具は年月が経っているものなので、そのこと自体にもともと魅力があるはず。それをどんな風にうまく表現できるか……。中古家具であったことが先に目に入るのではなく、物としての魅力が先に出てこないといけない。中古家具だったこと以前に、物そのものの魅力がうまく表現されている。そういうものに人のこころが動くと思うんです。それがデザインの力なのだと思います。現状でも人々は興味を示してくれるし、中古家具をリサイクルしたものだと説明をすると「なるほど」と思ってもらえる。しかし、それだけで結果は出ないんです」と思いを熱く語る。

4.『Re-arise』プロジェクトが目指す新しいシステム作り

ウインローダー『Re-arize』プロジェクト担当の山口典子さん
ウインローダー『Re-arize』プロジェクト
担当の山口典子さん

 プロジェクトで製作した家具への来場者の反応は良い。その一方で、実際に暮らしの中には取り込みにくいという意見も耳にする。魅力ある作品をどのように製品として、私たちの生活に取り込むか。その距離をどうやって縮めるか。販路、システム、またそれをどのように人々に周知させるか──プロジェクトを成功させるには解決しなければならないことが山積みである。新しい取り組みであるため、次々と問題が出てくる。そして、ビジネスなので、とてもシビアである。しかし、それと同じくらい可能性も秘めている。

 今回の展示では、今までのプロジェクトに加え、新たな中古家具のリサイクルの提案も行っている。それは、利用者自身が持っている不用家具を“作り替える”というサービスだ。

 例えば、引っ越しなどで生活スタイルに合わなくなってしまったものを、脚の長さを変えたり、天板を張替えたりといった、ちょっとした工夫で今の暮らしの中に蘇らせる。実家に眠っている子供のころの学習机、椅子の生活になり使わなくなってしまった卓袱台など、思い出があり、使わないけれども捨てることのできない家具たち。そのような埋没している不利用家具も有効活用できる可能性がある。もちろん、値段のことやどのくらい変えることができるかという技術的なこともあるが、希望を叶えられ、納得のできる内容であるならば、本当に素晴らしいことである。

 集まってくる家具の種類によって使用できる材料・部品を選別し、生産性やコストを考えた上で、販売につながる商品を生み出すこと。また、魅力があり、流通へと組み込みやすい種類の商品を開発すること。そして、それらをうまくユーザーにつなぐシステム作り。それらがこれからの『Re-arise』プロジェクトが成功するための要となるだろう。

 『ap bank fes '06』のテーマとなっている“eco-reso(エコ・レゾ)”という言葉。エコ・レゾナンス=「エコ意識の共鳴・共振」という意味を持っている。「私、マイ箸を使っているんですけど、自分自身が日常生活から変えていくことが一番説得力があるんじゃないかなと思いまして(笑)。隣の席の人がマイ箸でおいしそうにご飯を食べている。そういう姿を見ることのほうが実感があるんじゃないか」と、山口さんは言う。『ap bank fes '06』では、みんながきちんとリユースカップを洗って、返却している。共感は身近な小さなことから広がるものかも知れない。



 

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