「人・物」に続く、第三の企業資産「情報」を守りましょう
あなたは『オフィスセキュリティ』と聞いたら、監視カメラや警備会社との保守契約などをイメージしませんか? そんなイメージから、セキュリティとは何かしらのお金がかかる製品やサービスだと思いがち。でも、心がけやちょっとした工夫で、オフィスのセキュリティを高めることはできるのです。
1.情報流出は身近なところで起こっている
顧客リストや機密情報といった社内の機密事項がインターネットを介して流出した、そんなニュースが最近よく話題になっています。
これは、2003年から個人情報保護法が施行されるなど、金品だけでなく情報も企業が守らなければならない大切な資産です。この情報流出というのはネットばかりではなく、実は人間こそがもっとも身近な流出経路となっています。第三者にパソコンの画面を見られたり、机の上の書類を見られたりすることが、大きな損失に繋がってしまうかもしれません。
2.「ついつい見えちゃった」を防ぐ視線対策
こういった人間による情報流出を防ぐ第一のポイントは、来客など社外の人にオフィスの内部を見られないようにすることです。あなたのオフィスは、エントランスのすぐそばにデスクが置いてあるようなレイアウトになっていませんか? そのデスクの上で重要書類を取り扱っていませんか? もし思い当たるのであれば、エントランスを見直してみましょう。できるならば、エリアを区切って受付を設置できればいいのですが、場所と資金、さらに時間も必要になってしまいます。簡単ですぐにできる視線対策としてオススメしたいのが、エントランスの正面にパネルを立てたり、カーテンやブラインドを設置することです。そこに社員呼び出し用のベルなどを置けば、簡易的な受付に早替わり。こうして来訪者がオフィスを見渡せないようにすることが、セキュリティ強化の第一歩になるのです。
エントランスから丸見えのオフィス。
机の上の重要情報が見えてしまうかも。
パネルを立てて簡易受付を設置するだけでも、
オフィスは見えなくなります。
3.「どこにいったかわからない」を防ぐ情報管理
第二のポイントは、社内の人間による重要情報の紛失や持ち出しを防止することです。ここで重要なのは、書類の閲覧場所や保管場所を定める、キャビネットにはカギをかける、会社のノートパソコンを持ち帰らない、といった運用ルールを定めること。こうした運用ルールを作り、それを実施した上で、セキュリティキャビネットや金庫など、必要なセキュリティ機器の導入を考えていきましょう。機器があるからといって、持ち出しを完全に防止できるわけではありません。逆に、運用ルールがしっかりしていれば、機器に頼らなくてもセキュリティを保つことが可能です。
4.「ゴミの中からお宝発見」!を防ぐ、廃棄物処理に注目
重要書類は裏紙に回さず、必ずシュレッダへ投入しましょう!
第三のポイントは、廃棄物の処理です。書き損じの請求書、1枚多く印刷されてしまった給料明細、お中元の発送先リストなどの書類は、どのように捨てていますか? まさか、クシャクシャに丸めてゴミ箱にポイ、なんてことはないですよね。もしそうなら、ゴミの回収時に袋に穴が空いていて、そこから丸めた書類が落ち、悪意を持つ人物が拾ってしまうかもしれません。そんな事態を防ぐためにも、これらの重要情報は必ずシュレッダで破砕するようにしましょう。経費節減のためにコピーやFAXで裏紙を使っている、という会社も多いとは思いますが、重要情報を印刷した用紙だけは裏紙にしてはいけません。これもルールを明確にすることが、事故の防止に繋がるのです。
以上のように、オフィスセキュリティの基本は、家具の配置の工夫と運用ルールの設定がポイントです。100%の防止策を高じることは難しいのですが、リスクの発生する確率を下げることは簡単にできるはず。この機会に、改めてオフィスのセキュリティについて考えてみてはいかがでしょう。